先を越された
自分が多く稼ぐには、便利なツールを真っ先に導入し、誰よりも早く使いこなす。誰にも先を越されないうちに。二倍のスピードで、十倍の効率で物事を処理して、他と差を着けなければならない。食事も子作りもそういうスピードで済ませればよい。
完結に至る途上で
作品はより多く生産されることを望まれ、同じ完成作品をより低コストで、より短期間で製造することを善とするようになる。そこで実際には、制作者の動機はもしかしたら軽んじられてしまったのかも知れない、と僕は想像する。
都市に潜むもの
宗教的に隣人愛を唱えずとも、人は誰しも別の誰かを惹きつける魅力と、それによって愛を受け取る力を、皆持っているのだと気付かされる瞬間がある。
フィルムで撮影する
ストレスから解放されるためにヴァカンスに出掛けるというのは、もしかしたら単なる言い訳に過ぎず、人はそもそも歩いて、違う景色を見ることを糧として生きて来たのかも知れない。
記憶を育む
数万年のあいだ、ひたすらに獲物を狩って生活していたその頃の人間が、いかに見事な術をもって野生の熊と対峙し、それを捕らえて食していたか。紛うことない優れた立ち居振る舞いだったに違いない。
自明であること
当たり前のことなのだが、単語は事実に対して後から付帯される。神に近い偉人が風という言葉を発明して、その後に世界に風が吹き始めたのではない。風は人類が誕生する以前から地上に吹いていた。
儲かるシステム 弐
世界が広くなったことで、管理する要素は膨大に膨れ上がり、こなすべき役目は一層複雑化してしまった。マルチタスクは一人ひとりの人間に複雑な局面を与え、出来もしない解決を要求し、誤った判断を下すことはある意味で人類の前提事項となってしまった。
儲かるシステム 壱
孔雀の雌は雄の尾羽に誠実さや信頼を探っているのだとしても、我々がそれを完全に否定することは出来ない。人間以外の動物に審美眼が宿るのかどうか、有るとも無いとも確約出来ないのが実情だ。人間が勝手に判断しなくても良い。
誰のために
あなたはあなたが持つ自分を育み成熟させるという使命のために他の命を奪うことが出来る。それは循環であって、抹消の類であってはいけない。
誰も到達できない場所
あなたは誰かのポジションを奪う必要など無い。何故ならあなたが今、そこにいるその場所こそが他の誰にも到達できない場所なのだから。

